新シリーズ 

MQAで聴く女性ボーカル

文:野村和寿


カーペンターズ
カーペンターズ

更新情報

5月8日 (第10回)『カーペンターズの平穏無事なゆったり感を今こそあじわいたい』カーペンターズ with ロイヤルフィルハーモニー を公開いたしました。


サヴィーヌ・ドゥヴィエル
サヴィーヌ・ドゥヴィエル

更新情報

5月2日 (第9回)モーツァルトの軽やかで愛らしい透明感のあるアリアに心洗われる!』サビーヌ・ドゥヴィエルを公開いたしました。


好きな女性ボーカルを探す旅に出ましょう

音楽好き、なかでもオーディオ好きは、「どんなジャンルが好きですか?」と問われると、たいてい「女性ボーカル」が好きとお答えになります。考えてみますと、「女性ボーカル」という単一のジャンルがあるわけでもなく、「ロックのなかの女性ボーカル」とか、「ポップスのなかの女性ボーカル」、「ジャズのなかの女性ボーカル」、「クラシックのなかの女性ボーカル」などなど、あらゆるジャンルに、女性ボーカルがあり、それらを総称して「女性ボーカル」といっているのだと思います。

 

7090年代、小学館から刊行されていたオーディオ誌FMレコパル、サウンドレコパルの編集部にいた私は、あるとき巻頭特集で、この女性ボーカルのことを特集しようと思いました。そのとき、大まかにスタッフで決めたことがありました。女性ボーカルのディスクを選ぶ際に、聴き心地のよい女性ボーカルとひと口にいっても、聴き込んで選んでいくと、いろいろな声に遭遇しました。

 

多少誇張気味に言ってしまうと、金切り声のようなキンキン響く声でもなく、またアフリカ系・アメリカンのソウル・ミュージック、そのなかでも、シャウトするような激しい、情熱がこもりすぎるような女性ボーカルのように、あまりドラマチックになりすぎるのでもなく、オーディオで聴いていて、「ころころ」としていたり、「そっと囁くような声」だったり、「さわやかで気持ちが良くなる声」だったり、「甘い男心をくすぐるような官能的な声」だったりと、聴き心地が安らぐような、いわば「癒やされる」気持ちになる、女性ボーカルを探していきました。おかげさまで、この女声ボーカルの特集は人気を博し、なんどもサウンドレコパルの巻頭カラーを飾ったものです。

 

今回、時代はずいぶんと変遷を遂げましたが、幸いにも、MQAというハイレゾの極上の音源のなかで、これはと思う女性ボーカルを探していく旅に、みなさんと共に出発していこうと思います。

 

好評連載中!

ナナ・ムスクーリ
ナナ・ムスクーリ
バルバラ
バルバラ
ダイアナ・ロス
ダイアナ・ロス
コニー・フランシス
コニー・フランシス
リッキー・リー・ジョーンズ
リッキー・リー・ジョーンズ
テレサ・テン
テレサ・テン
ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェル
アニタ・ベイカー
アニタ・ベイカー
サビーヌ・ドゥヴィエル
サビーヌ・ドゥヴィエル
カーペンターズ
カーペンターズ

ご紹介するタイトルは、2020年2月現在、各社からMQA CD(ハイレゾCD)として発売されているものか、あるいはe-onkyo musicでダウンロード販売されているものです。各商品の価格その他は変動する場合があります。MQA,MQA-CDはMQA Limitedの商標です。

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全17回 好評公開中!
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MQAで聴く女性ボーカル

しみじみとして心が静かになるまさに天使の歌声!

第1回 ナナ・ムスクーリ〜ベスト・セレクション(MQA-CD)

 

「眼鏡美人の歌姫」といえば、ナナ・ムスクーリが挙げられると思います。ナナ・ムスクーリの歌声は、まさに「天使の歌声」と活躍した当時いわれたボーカルです。ちょっと細身で、よく女声特有の、高音が、きんきんと響かせるすることがなくて、美しく清らかで、どこまでいっても、しみじみと、実に清楚に人生を(続きを読む)

 


熱き塊 ぐいぐいと引き寄せられるうた 詩のなかに人生が聴こえてくる

第2回 バルバラ〜ベスト・セレクション(MQA-CD)

 

「バルバラ(30−97年)は、ピアノ弾き語りの自作自演のフランスのシャンソン歌手です。バルバラの名前はずっと昔に、ステレオサウンド誌で、著名なオーディオ評論家・瀬川冬樹氏(35−81年)が、ご活躍されていた70年代後半に、よくバルバラのアナログ盤を試聴に使っていらしたのを思い出します。(続きを読む)

 


ストレートな歌声に懐かしくなって思わず身体が動いてしまいそうになる

第3回 ダイアナ・ロス エッセンシャル・ベスト(MQA-CD)

 

ダイアナ・ロスの豪華なベスト盤が、MQA-CDで聴けるようになりました。1曲(1曲だけ08年リリース)をのぞいて、71ー81年にリリースされた楽曲からピックアップされたベスト盤です。CDが登場したのは、82年のことなので、最初のリリースは、アナログ盤でリリースされていたナンバーです。80年当時(続きを読む)

 

 


小悪魔的でやんちゃでかわいくて・・・聴くとリフレッシュできる!

第4回 コニー・フランシス ベスト・セレクション(MQA-CD)

 

コニー・フランシスは、アメリカのキュートな女性ボーカルです。キュートとは「(若い女性や子どもが)きびきびしていてかわいいさま」をいいます。ちょっと小悪魔的でやんちゃなティーン・エージャーといった風情。主に活躍したのは、50年代から60年代。それが今回、MQA-CDとなって見違えるほど(続きを読む)

 

 


勝ち気な小娘が挑発してくるような素敵なのりのボーカル

第5回 リッキー・リー・ジョーンズ /浪漫  RICKIE LEE JONES (MQA-CD)

 

ベレー帽を小粋にかぶり、伏し目がちに極端に短くなったシガーを口にくわえた女性が、リッキーその人です(当時 24 歳)。このジャケットを撮影したのは、高名な写真家ノーマン・シーフ(アップルの創業者スティーヴ・ジョブズのフォトで有名です)。私がリッキーのアルバムと最初に出会ったのは、いったいいつ頃 (続きを読む)

 


せつなさ、柔らかさ、しなやかさを全身で受け取れる日本のソウル・ミュージックです!

第6回 テレサ・テン ベスト・ヒット (MQAダウンロード)

 

今回はテレサ・テンをご紹介しましょう。まさにそれまでの演歌界に新風を吹き込んだ、「アジアの歌姫」の日本への降臨です。それまでの演歌は、こぶしを多めに効かせた節の歌い回しや、声をふるわせるビブラートをゆっくりと多めにかけて、あふれ出るような熱情を過度なまでに突出させてうたうというのが演歌の定⽯(続きを読む)

 


鼻にかかったようなハスキーな歌声がL.A.の乾きを運ぶ

ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェル

第7回 ジョニ・ミッチェル (MQA-CD)

 

ジョニ・ミッチェルは、アメリカ西海岸、ウェストコーストを代表するシンガーソングライターです。もう少しいうと、カリフォルニア州北部バーバンクを中心とするアサイラム・レコード(71年デイヴィッド・ゲフィンとエリオット・ロバーツが設立、現在ワーナーミュージックの傘下にあります)に集う面々の音楽が、ウェストコースト・サウンドまたは、ウェストコースト・ロックと呼ばれる音楽(続きを読む)

 


このゴージャスさはいったい何?いま聴いても極上のパフォーマンスです

アニタ・ベーカー
アニタ・ベーカー

 第8回 アニタ・ベイカー (MQA-CD)

 

86年アルバム・リリースされたアニタ・ベイカーの『ラプチュアー』は、よくFM放送から流れていた音楽でした。一日の仕事が一段落する夕方近くになると、車の中から流れてきたのを覚えています。FMが普及する前は、在日アメリカ軍のFEN(’97年にAFNと改称)が、ノンストップで音楽を流していて、早い物好きの音楽ファンはこぞってFENの早口のDJの放送を聴いていました。 80年代後半は(続きを読む)

 


モーツァルトの軽やかで愛らしい透明感のあるアリアに心洗われる!

サビーヌ・ドゥヴィエル
サビーヌ・ドゥヴィエル

 第9回 サビーヌ・ドゥヴィエル

 

 今日はクラシック、それもきっと誰もがご存知のモーツァルトです。といっても、大仰に構えることはなく、ちょうどウィーンにある洋菓子店カフェ・モーツァルトのチョコレート菓子・クーゲルのように、口に入れると、甘さがあふれるような新鮮さに満ちている音楽です。コロラトゥラ・ソプラノという高音域の女声の歌い手サビーヌ・ドゥヴィエル(フランス)が、小さな18世紀当時を思わせる (続きを読む)

 


カーペンターズの平穏無事なゆったり感を今こそあじわいたい

カーペンターズ
カーペンターズ

 第10回 カーペンターズ

 

 1977年のGWの狭間の土曜午後、大学生だったぼくは、心の中でですが「やった!」と叫んでいました。ちょうどその日は、FM東京の『日立サウンドイン・ナウ』という番組で、ノンストップの「カーペンターズ」のGW特集があり、いつもより高級なグレードのカセットテープを買い込んで、FM誌で、曲のタイミングを入念にチェックし、ちょっと録音ミキサーにでもなったような気持ちで・(続きを読む)

 

 



 

 

執筆者紹介:野村和寿

 

’78年FMレコパル編集部に参画して以来、約20年にわたりFMレコパル、サウンドレコパルと、オーディオと音楽の雑誌編集者を長く務める。誌上では、オーディオのページを担当するかたわら、新譜ディスク紹介のページを長く担当した。海外のオーディオ・メーカーの取材の際、宿に戻り遠く離れた土地で日本のボーカルを聴いてジーンときたという体験をし、ボーカルがいかにオーディオに人の心にダイレクトに響くかに開眼した経験をもつ。 

 

ポップスやロック、ジャズ、クラシックといった多方面のアーチストと交流を深めるうちに、音楽はジャンルではなく、その楽しさにおいては、なんら変わらないことに確信を持つ。ハイレゾの今日に至るも、ますます、お薦めボーカルをジャンルを取り払って探していきたいと思っている。好評連載中の『MQAで聴くクラシックの名盤』はすでに連載が17回を数えている。

 



MQAは膨大なサイズのハイレゾ音楽ファイルのサイズをCD並にコンパクトにしながら、スタジオ・クオリティの音質を再現することが可能にします。ここでは、すでにe-onkyo musicで販売されている、様々なジャンルのMQA作品や各社から発表されているMQA-CDタイトルから、選りすぐったクラシック音楽をピックアップ。

 

これぞ名盤と言われる作品に厳選してMQAで楽しむクラシックの深い味わいを、作品の生まれた背景や録音のエピソードなどを交えながらお伝えしてまいります。

 

掲載したタイトルは名盤としてコンパクトディスクやSACDとしても発売中のものが少なくありません。また映画やCMで馴染みのある曲も数多く紹介しております。ハイレゾCDとして発売されたMQA-CDのクラシック・タイトルについても取り上げていますので、是非、合わせてお立ち寄りください。

 

 

 

全17回 好評公開中!
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