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各曲目の解説 Part2

 

 

ハイドン 交響曲第92番 ト長調『オックスフォード』 ホーボーケン番号Ⅰ-92

 

18,第1楽章:アダージョ(落ち着いてゆっくり) – アレグロ・スピリト(快速に 元気に) 0:07:15

19,第2楽章:アダージョ(落ち着いてゆっくり) 0:07:55

20,第3楽章:メヌエット 0:04:34

21,第4楽章:プレスト(急速なテンポで) 0:05:13

 

1789年作曲 これからロンドンという大都市の聴衆へと作曲していくハイドンがそれまでより編成も大きくしかもゴージャスな交響曲を作った。どんな形式でも自在に使いこなせる、長い期間作曲し続けてきた職人ハイドンだからこそできたゴージャスな交響曲で大きく変貌している。対位法と普通呼ばれる、音の追いかけっこのような飛び交う多くの音・音・音、素早い動き・・・。重厚感。

 

続く第2楽章は、打って変わって美しく動きメロディー・ラインを優雅でゆったりとした、たゆたうような動きでみせてくれる。しかし途中からは心臓がドキドキしてくるようなインパクトの強いアクセントの旋律が急に浮上したりして聴く者の気分をまさに飽きさせない。そして静寂へと戻っていく。

 

第3楽章は、3拍子の踊りの曲メヌエット。しかしここでも、きびきびとした動きがハイドンにかかると自由自在に聴こえてくる。ホルンも高鳴る。第4楽章は激しく反応する動きのさまは、モーツァルトの交響曲を聴いているような。打楽器のティンパニも加わり、金管楽器のトランペットも手伝って、一糸乱れぬ行進のように弦楽器群は動きの激しさを一層増してくる。フーガと一般に呼ばれるテーマを各楽器が次々と追いかけていき、どんどんと絡み合っていく。しかしハイドンの音楽はあくまでもクールで、さらっとしているところは変わらぬ魅力だ。

 

 

ハイドン 協奏交響曲 変ロ長調 ホーボーケン番号Ⅰ-105 

〜バイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴットと管弦楽のための

 

22,第1楽章:アレグロ(快速に) 0:09:33

23,第2楽章:アンダンテ(歩くような速さで) 0:04:58

24,第3 楽章:フィナーレ - アレグロ・コン・スピリト(快速に 元気に) 0:06:52

 

協奏交響曲 独奏者

安永徹(バイオリン)、ゲオルク・ファウスト(チェロ)

ジョナサン・ケリー(オーボエ)、シュテファン・シュヴァイゲルト(ファゴット)

 

1792年にロンドンで作曲され、1792年3月9日の当時のモーニング・ヘラルド紙に大成功だったことが掲載されている。腕達者の楽器のバイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットの名手たちのワザを、ふんだんにみせた名人芸を聴かせる音楽だ。次から次へと繰り出される、異なった音色の楽器たちの組み合わせの妙が楽しめる。

 

第1楽章は名人芸の数々が名人芸が初めて登場する音楽に、さぞや聴衆は目を見張ったことだろう。第2楽章になると少し落ち着きを見せるように、独奏チェロの周りを管弦楽が囲む。ハイドンは2曲のチェロ協奏曲も作曲しており、チェロの名手がいたと思われる。続いて中心は独奏バイオリンにうつり、周りを独奏オーボエと、独奏ファゴットがフォローする。

 

第3楽章は、ちょうどオペラの歌い手のように独奏楽器が前面に立ち、管弦楽がフォローする形である。バイオリン協奏曲のようにチェロ協奏曲のように長いソロが縦横無尽に駆け巡る。

 

* 交響曲の中の「メヌエット」とは、ヨーロッパの民族舞曲にあった3拍子の踊りを交響曲の中に取り入れたもの。メヌエットートリオーメヌエットと3つの部分から成り、途中にトリオと呼ばれる中間部をともなって演奏される。

 

* ホーボーケン番号 ハイドンの音楽作品に付された番号。オランダの音楽学者アントニー・ヴァン・ホーボーケンの作品目録のことで、今では作品番号のかわりに、ハイドンの作品番号を表記する基準となっている。 

 

文:野村和寿

 

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21年もかけた結晶が口ずさめるようなメロディーを生ん

 

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ハイドン 交響曲第88番『V字』から第92番『オックスフォード』、

協奏交響曲(バイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴット、管弦楽のための)を含む

 

サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

レーベル名 ワーナー・クラシックス

レコード会社 ワーナー・ミュージック・ジャパン

ハイレゾ音源提供 e-onkyo music

http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr28727/

ファイル形式:MQA Studio 44.1kHz/24bit

¥2,619(税込価格)

◎実際の販売価格は変動することがあります。価格は税込価格(消費税10%)です。

 

 

執筆者紹介

雑誌編集者を長くつとめ、1975年にカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団日本公演のブラームス交響曲第1番の最終楽章で、鳥肌が立ち、帰り道をさまよった経験を持つ。爾来、クラシックを生涯の友として過ごしてきた。編集者時代、クラシック以外のロックやジャズといったジャンルのアーティストと交流を深めるうちに、クラシックと、楽しさにおいて何も変わらないことに確信を持つ。以来、ジャンルを取り払ってハイレゾまで、未知なる音の発見の喜びを日々捜している。MQAを提唱しているイギリス・メリディアンには1991年以来2回オーディオ雑誌の取材で訪れ、基本コンセプトに魅せられた。またカメラ好きでもあり、特にドイツの光学製品に魅せられ、ライカのカメラ群とそのレンズの蒐集に執念を燃やしている。

 


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