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各曲目の紹介 Part1  

 

ハイドン 交響曲第88番 ト長調 『V字』ホーボーケン番号Ⅰ-88

 

1(トラック番号 以下同じ),第1楽章:アダージョ(落ち着いてゆっくり)

 – アレグロ(快速に) 0:06:44

2,第2楽章:ラルゴ(幅広く、ゆるやかに) 0:05:45

3,第3楽章:メヌエット(アレグレット やや速く)&トリオ 0:03:57

4,第4楽章:フィナーレ アレグロ・コン・スピリト(快速に元気に) 0:03:47

 

1787年作曲。ハイドンの楽しさは、第1楽章の冒頭から第4楽章のフィナーレまで、ずっとひと続きのフルコースの料理のようになっているところで、ゆっくりと始まり、興がのってくると、速度は増し推進力に心がわくわくしてくる。

 

第1 楽章は音域の高い方のバイオリン群と音域が低い方のチェロとコントラバスとが常にコントラストをみせ、メロディーの主導権をもちつもたれつする。つづれ織りのようにそのコラボレーションは増していき一体となっていく。この動きは聴き手にとって生理的な心地よさのようなものを生み、自分も音楽と一体となって、演奏に混ぜてもらっているような心地よさを感じる。

 

第2楽章は打って変わり、実にゆっくりとしみじみしている。ブラームスが好きだったと言われる第2楽章「ラルゴ(幅広くゆるやかに)」は、木管楽器のオーボエと、弦楽器のチェロを同じメロディーを同時に演奏させることで、どの楽器とも違う、別の楽器のような雰囲気を醸し出す。この手法は後にシューベルトの未完成交響曲でも使われた。しみじみとしてまさに滋養たっぷりの「ラルゴ」である。

 

第3楽章は、素朴だがとても楽しい舞曲が繰り返し演奏され、踊りたい気持ちになってくる。中間部分のトリオには、フランスのバグ・パイプ(ムゼッタ・ドローン)を模した音楽をビオラとファゴットに演じさせてたりもする。第4楽章のフィナーレに入り、最後には速いテンポで、もう聴いている側にはわくわく感を増しつつ楽しい大団円を迎えるという趣向である。留まることを知らない疾走感がそこにはある。

 

ハイドン 交響曲第89番 ヘ長調 ホーボーケン番号Ⅰ-89

 

5,第1楽章:ヴィヴァーチェ(活発に、速く) 0:07:06

6,第2楽章:アンダンテ コン モート(歩く速さで 動きをもって) 0:05:59

7,第3楽章:メヌエット 0:03:31

8,第4楽章:ヴィヴァーチェ・アッサイ(非常に活発に 速く) 0:04:36

 

1787年作曲。第1楽章は箱庭にきちんと並べられた室内楽のような慎ましさが伝わってくる。

 

第2楽章はゆったりとした牧歌的なメロディーが漂うようだ。第3楽章は小粋な踊りのメヌエット。フルートやオーボエやファゴットといった木管楽器群がアクセントとなってほんの少しだが印象的。中間のトリオの部分は、フルートのソロが印象的なソロをとる。第4楽章に入ると、当時最新の楽器だったリラ・オーガニザータ(当時出始めた機械仕掛けのバイオリンの一種)を模した少し機械的な動きをした踊りの音楽が、ウィットに富む。

 

第4楽章はエステルハージ家のあったハンガリーに暮らす民衆の踊りの音楽を元にしている。素朴な踊りの輪が感じられて楽しい。これを聴くと、後のウインナ・ワルツへの影響もあったのだろうなと思えてくる。

 

Haydn House Eisenstadt Burgenland Austria
Haydn House Eisenstadt Burgenland Austria

 

ハイドン 交響曲第90番 ハ長調 ホーボーケン番号Ⅰ-90

 

9,  第1楽章:アダージョ(落ち着いてゆっくり) – アレグロ・アッサイ(非常に 快速に) 0:06:41

10,第2楽章:アンダンテ(歩く速さで) 0:07:37

11,第3楽章:メヌエットとトリオ 0:05:02

12,第4楽章:フィナーレ アレグロ・アッサイ(非常に快速に)

(バージョン1,聴衆の拍手入り)0:08:05

13,第4楽章:フィナーレ アレグロ・アッサイ(非常に快速に)

(バージョン2,聴衆の拍手なし続けて演奏)0:06:57

 

1788年作曲。いつもの木管楽器と弦楽器に、ここでは、ホルン、トランペットといった金管楽器に加えて打楽器ティンパニも加わってくる。落ち着いて少し大仰に始まりの予告は、第4楽章への布石かもしれない。

 

第1楽章は、フルートやオーボエのソロが随所で聴こえてきて美しく、ホルンまでが推進力を増し、ワクワク感を盛り上げている。第2楽章は典型的なハイドン特有のゆっくりとした歩調のような「アンダンテ(歩くような速さで)」。少しだけメランコリックに聴かせる。最後に美しいチェロによるソロがあり安心させる。第3楽章はきらびやかなフルートやオーボエの長いソロがキラッと光る。まるで明るい陽光が注いできたかのようだ。

 

第4楽章は冒頭から足早に速いテンポで名人芸をみせるかのようにオーケストラの各楽器が複雑にせわしないような動きを始める。金管楽器であるトランペットも加わり壮麗さを増している。高音楽器バイオリンと低音楽器チェロ、コントラバスの対比や、合いの手のように入る木管楽器、金管楽器がきらめく。少し大仰に曲は終結をみせるかのようだ。聴衆の拍手が聴こえる。まんまとハイドンの術策に騙された。まだ終わっていない。音楽は始まりこそ静かだが激しい動きをみせながら、どんどんと前回よりも大仰に大団円を迎えつつあるオーケストラ。そして盛大な拍手。ところがである。指揮者サイモン・ラトルがふたことみこと語り、また音楽が始まる頃に、聴衆のリラックスした気分と音楽とが一体感をみせる。そして歓声とともに本当に第90番は本当の結末を迎える。

 

 

ハイドン 交響曲第91番 変ホ長調 ホーボーケン番号Ⅰ-91

 

14,第1楽章:ラルゴ(幅広く ゆるやかに) – アレグロ・アッサイ(非常に快速に) 0:07:27

15,第2楽章:アンダンテ(歩くような速さで) 0:07:02

16,第3楽章:メヌエット 0:03:25

17,第4楽章:ヴィヴァーチェ(活発に) 0:05:12

 

1788年作曲 フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、弦楽器5部とシンプルな編成で、金管楽器のトランペットや打楽器のティンパニが入っていない。私には約30年お世話になったエステルハージ家への「決別の辞」ようにも聴こえる。しかしこの交響曲から、ハイドンの新しい世界への第一歩のような変わり目の音楽にも感じられる。

 

それまでの交響曲よりも、より一層、めまぐるしく千変万化するように動き回る第1楽章。第2楽章の「アンダンテ」(歩くような速さで)も、雄弁さは変わりなく、着実だがメリハリのより効いた音楽に変貌している。中間に低音を受け持つ木管楽器のファゴットの超絶技巧による長いソロがある。同じく低音の弦楽器チェロの連携プレーが続く。第3楽章のメヌエットも、それまでのハイドンが描いてきたメヌエットとは大きく異なってゴージャスな響きがする。第4楽章も以前のものとくらべるとより複雑となり、いろいろな楽器による繊細で複雑な動きが一度に起きてくる。ちょっとモーツァルトの交響曲を彷彿とさせるように。(続く)

 

 

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