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曲目解説 Part2.  ⑳~㊲

 

 

ジャック・オッフェンバック(1819-1880)/ロザンタール編

パリの喜び(カルロ・マリア・グリグオーリによる3台のピアノのための編曲版/世界初演)

 

⑳ 第1曲:序曲 0:02:11

㉑ 第2曲:ギャロップ 0:01:00

㉒ 第3曲:舟歌 0:02:51

㉓ 第4曲:カンカン 0:04:28

 

演奏:ジョルジア トマッシ(1970年~)、カルロ・マリア・グリグオーリ(1984年~)、アレッサンドロ・ステッラ(1987年〜)3台のピアノで演奏。

 

オペラ『ホフマン物語』で有名なオッフェンバックは19世紀末にパリで成功した作曲家。オペラのほかにも38以上のオペレッタ(喜歌劇)も作曲している。この中から有名なメロディーを集めてバレエ曲に編曲したのが、ロザンタール。そしてそれを、3台のピアノ、3人のピアニスト用に再度10分ほどの連弾曲に編曲したのが本バージョン。

 

ピアニストには、編曲者のグリグオーリをはじめ、ジョルジア・トマシ、アレッサンドロ・ステラが参加している。聴衆の前に、3台のピアノが居並ぶということはなかなかないものだ。次々と珠玉のメロディーが弾き手を交代させながら、まさに舞台上で競演を繰り広げる。華やいでいる雰囲気がこちらにも聴いていて実に楽しい。

 

カミーユ・サン=サーンス(1835-1921)

組曲「動物の謝肉祭」

 

㉔ 第1曲:序奏と獅子王の行進曲

アンダンテ・マエストーソ-アレグロ・ノン・トロッポ-ピュウ・アレグロ(堂々として歩くような速さで-あまりはなはだしくなく 快速に-もっと速く) 0:02:19

 

華やかな謝肉祭の始まりが宣言される。弦楽器が勇壮な行進を始める。ピアノ2, バイオリン2, ビオラ、チェロ、コントラバス

 

㉕ 第2曲:雌鶏と雄鶏

アレグロ モデラート(中ぐらいの速さで)0:00:43 

 

雌鶏と雄鶏が競うようにえさをついばむ。クラリネット、ピアノ2, バイオリン2, ビオラ

 

㉖ 第3曲:騾馬

プレスト・フリオーソ(急速なテンポで 激しく) 0:00:33

 

アジア系と思われる騾馬(ラバ・雄のロバと雌のウマの交雑種)が牧場を縦横無尽に走り回っている。ピアノ2

 

㉗ 第4曲:亀

アンダンテ・マエストーゾ(歩くような速さで 堂々として) 0:03:25

 

オッフェンバックの作曲した『天国の地獄』のメロディーを亀はのろのろとひきづって歩いて行く様子を描いている。ピアノ、バイオリン2、ビオラ、チェロ、コントラバス 

 

㉘ 第5曲:象

アレグレット・ポンポーゾ(やや速く 荘厳に)0:00:58

 

象役の低音弦楽器コントラバスがここでは主役。メロディーはベルリオーズ作の『ファウストの劫罰』から「妖精のワルツ」や、メンデルスゾーン(1809−1847年)作の『真夏の夜の夢』から「スケルツォ」をもとにワルツを演奏するが、なにしろ低音楽器なのでオリジナルの高い音の演奏とは大違いというところがウィットに富んでいて面白い。コントラバス、ピアノ

 

 

㉙ 第6曲:カンガルー

モデラート(中ぐらいの速さで) 0:00:58

 

装飾の付いた2台のピアノの和音が上下して、ピョンピョンと飛び回るカンガルーを活写する。ピアノ2

 

㉚ 第7曲:水族館

アンダンティーノ(アンダンテ=歩くような速さで よりやや速く) 0:02:40

 

雷から電気を発見した科学者フランクリンが発明したとされるグラス・ハーモニカという楽器が使われている。水を入れたの複数のグラスを共鳴させて音程の異なった音を出す不思議な楽器で幻想的なメロディーにはまさにうってつけである。本曲はテレビドラマ「のだめカンタービレ」(2006年フジテレビ)の中では幻想的な風景で登場した。フルート、グラス・ハーモニカ、ピアノ2、バイオリン2、ビオラ、チェロ

 

㉛ 第8曲:耳の長い登場人物

テンポ・アドリブTempo ad lib(アドリブのテンポで) 0:00:41

 

驢馬(ろば)の鳴き声を、「ウィッだ」とか「キー」だとかといった日ごろバイオリンが出さない音を皮肉交じりに音にしている。サン=サンーンスが日頃辛辣な批評をしていた音楽批評家への「あてこすり」を音楽にしたといわれている。バイオリン2

 

㉜ 第9曲:森の奥のカッコウ 

アンダンテ(歩くような速さで)0:02:36

 

静かな森に、森の奥に住むカッコウが鳴く。カッコウはクラリネットが担当する。森のムードを担当するのはピアノだ。クラリネット、ピアノ2

 

㉝ 第10曲:大きな鳥籠 

モデラート グラツィオーソ(中ぐらいの速さで 優雅に)0:01:20

 

フルートで奏する小鳥が飛び回る。フルート、ピアノ2, バイオリン2, ビオラ、チェロ、コントラバス

 

㉞ 第11曲:ピアニスト

アレグロ・モデラート(快速に 中ぐらいの速さで) 0:01:36

 

二人のピアニストが、練習曲を弾き出すが、なぜか、ちっとも合わない。いったいどうして?という情景を皮肉たっぷりに描いている。ピアノ2, バイオリン2, ビオラ、チェロ、コントラバス

 

㉟ 第12曲:化石

アレグロ・リディコロ(快速に こっけいに) 0:01:22

 

サン=サーンス自身が作曲した『死の舞踏』のメロディーが出てくると思えば、ロッシーニ作の歌劇『セビリアの理髪師』のアリアが登場したり、「きらきら星」や「月の光に」といったフランス民謡が次から次へと登場する。ピアノ2, クラリネット、シロフォン、バイオリン2, ビオラ、チェロ、コントラバス

 

㊱ 第13曲:白鳥

アンダンティーノ グラジオーソ(アンダンテ=歩くような速さでよりやや速く 優美に)0:04:04

 

白鳥が湖面を優雅に泳いでいるさまを独奏チェロがゆったりとしたテンポで歌う。本曲は単体で演奏されることも多い名曲なので、聴いたことがある方が多いかもしれない。チェロ、ピアノ2

 

㊲ 第14曲:終曲

モルト・アレグロ(きわめて快速に) 0:02:21

 

終曲を飾るのは、いろいろな動物になって登場した楽器のオンパレードである。ここでもフランスで人気の高かったオッフェンバック作の『天国と地獄』のメロディーが下地に流れている。ここでカーニバルの行列はまさに最高潮に達する。いやはや楽しい大団円である。ピッコロ、クラリネット、グラス・ハーモニカ、シロフォン、ピアノ2, バイオリン2, ビオラ、チェロ、コントラバス

 

演奏

 

マルタ・アルゲリッチ、リーリャ・ジルベルシュテイン(ピアノ)、アンドレイ・バラノフ、

マイケル グットマン(バイオリン)、リダ・チェン(ビオラ)、 アレクサンドル・ドブリュ(チェロ)、エンリコ・ファゴーネ(コントラバス)、アルフレッド・ルッツ(フルート)、

コッラド・ジュフレディ(クラリネット)、グレゴリオ・ディ・トラパニ(パーカッション)

 

録音:2013年6月~7月、ルガーノ・フェスティヴァル(スイス)におけるライヴ録音

 

 

文:野村和寿

 

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マルタ・アルゲリッチ&フレンズ 

ライブ アット ルガーノ・フェスティバル2013

 

レーベル名 ワーナー・クラシックス

レコード会社 ワーナー・ミュージック・ジャパン

 

ハイレゾ音源提供 e-onkyo music

http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr292585/

 ファイル形式:MQA Studio 44.1kHz/24bit

¥2,988(税込価格)

◎実際の販売価格は変動することがあります。価格は税込価格(消費税10%)です。


 

執筆者紹介

雑誌編集者を長くつとめ、1975年にカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団日本公演のブラームス交響曲第1番の最終楽章で、鳥肌が立ち、帰り道をさまよった経験を持つ。爾来、クラシックを生涯の友として過ごしてきた。編集者時代、クラシック以外のロックやジャズといったジャンルのアーティストと交流を深めるうちに、クラシックと、楽しさにおいて何も変わらないことに確信を持つ。以来、ジャンルを取り払ってハイレゾまで、未知なる音の発見の喜びを日々捜している。MQAを提唱しているイギリス・メリディアンには1991年以来2回オーディオ雑誌の取材で訪れ、基本コンセプトに魅せられた。またカメラ好きでもあり、特にドイツの光学製品に魅せられ、ライカのカメラ群とそのレンズの蒐集に執念を燃やしている。

 


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