スタジオのマスター・クオリティをありのままに再生する
1.音の時間軸解像度を飛躍的に高めた、
『マスタークオリティの音質』
近年の神経工学の成果によると、人間の耳は周波数より、時間軸の音の解像度に対してはるかに敏感であることが確認されています。MQAが着目した時間軸の音の解像度とは、その音がいつ始まって、いつ終わったか、あるいは音の方向や奥行き、スピード、残響や反射などを感知するために重要な要素でオリジナルマスターには損なわれず含まれています。ハイレゾ音源ではこの時間軸の音の解像度が大きく改善します。それでもマスターに比べると人間の感知能力を遙かに超えたレベルでプリエコー、ポストエコー(ノイズ)として存在しています。(下図参照)
従来のデジタル音声処理で用いられていた急峻なデジタルフィルターは、この音のボケとも呼べるリンギング(時間軸のエコーノイズ:下図参照)をもたらしていました。MQAの構想にあたり、開発者ボブ・スチュアートはここに注目。録音段階からAD変換-DA変換を経た最終的なリスナーの再生までの数々のプロセスで生じていた、時間軸の解像度の劣化をつぶさに検証し、エンコードからデコードまでのトータルシステムを完成させました。MQAはその名の通り、マスタークオリティ=スタジオクオリティの3Dサウンドの再生を可能にしました。
具体的には、再生可能な時間軸情報の解像度について、人間が検知できるとされる3μ秒に対して、既存の録音物についてMQAは10μ秒をターゲットとしています。音の立ち上がりの解像度で192k24bitの既存AD/DAのプレセスでは、約250μ秒のプリエコーが生じるのに対してMQAでは5μ~8μ秒※を達成。トータル(インパルスの前と後)のレスポンスでは500μ秒から10μ秒未満まで減少させています。 ※前回更新時 3マイクロ秒となっておりましたので訂正いたします。
MQAは最新の神経工学の聴覚に関する研究成果に基づく人間の聴覚に関する知見をベースにした技術であり、オーディオ愛好者のみならず、音楽を聴くすべての人に感動をもたらします。こうしたMQAの特長をいかしたMQA-CD(コンパクトディスク)も発売されています。
2.ハイレゾ音源を高効率な
『オーディオ折り紙』でコンパクト化
MQAは膨大な情報量を持つ、スタジオクオリティの音声ファイルを、CD並のコンパクトなサイズにロスレスで圧縮する『オーディオ折り紙』と呼ばれる独自技術を採用。特に音楽の時間軸解像度を重視。スタジオマスターの持つ、時間軸の音楽情報にダメージを与えることがない、効率が良い符号化技術です。従って同じ容量のハードディスクなどに、より多くの楽曲をコレクションすることが可能になります。また、従来のデジタルフィルター等の作用による、音質の劣化=時間軸情報の大幅な劣化も抑えることができます。
さらに、ファイルサイズが小さくなることで、楽曲のダウンロード時間もオリジナルのフォーマットに比較して大幅に短縮されます。MQAはスマホや携帯プレーヤーでもハイレゾを気軽にストリーミング楽しむことも可能とするなど、新しい音楽スタイルの可能性を広げます。(MQAの技術概要について詳細に読む)
注:2L社提供のサンプル音源で同じ曲のデーターサイズを比較したもの。この楽曲のMQAは352.8kHz/24bitのマスターからエンコードしたファイル。(2L社のbench test より当社調べ)
3.PCMファイルと安心の『互換性』
MQAファイルはMQA再生環境がなくてもCD以上のクオリティで安定して再生することが出来ます。また、MQAファイルは、FLAC、ALAC WAVなど、既存のPCMファイル形式のコンテナを採用することが可能です。従来ファイルとの互換性を確保することで、音楽生活をより豊かに便利に進化させる革新的な技術です。
(現在、ダウンロード販売されている形式は主にFALC形式です。ハイレス・ミュージック調べ)
また、世界のレコード会社が保有しているアナログ録音、DSD/PCMのデジタル録音作品、最新の高品位なデジタル録音作品までMQAファイル化されて販売されています。How to get MQA
日本オーディオ協会のJASジャーナルに公開された開発者によるMQAのコンセプト&技術資料
発売された2LのタイトルをMQA対応のポータブルDACで試聴レポート(山本 敦)
MQA社のオフィシャルページの日本語ページです。
対応機器やアプリなどの情報があります。
ノルウェーの高音質音楽レーベル2L社のサンプル・サイト。多彩な音楽ファイルを試供中
MQA,MQA-CDはMQA Limitedの商標です。このホームページに掲載されているブランド、商品名は各社の商標です。記載内容は2019年12月現在のものです。