セレクトショップ探訪記 01
2000年創業のU-Audioは、ゆっくり聴いて選べるオーディオショップ。2007年頃からはユーズドに加えて新品の取り扱いも始めるが、他のオーディオショップとはコンセプトが少し異なる。
「何でも扱うというよりは、輸入品の中でも自分たちの適性に合ったものだけをセレクトして扱うことにしています」
中古品が所狭しと陳列されているというよりは、店内中央の大きなソファでゆったりと試聴が楽しめる。大口径のガラス窓からはグリーンが見え、エントランスにはウッドデッキがある。店のロケーションからしてユニークだ。
CD等のディスク再生やPCオーディオ、そして最近引き合いが増えたアナログ再生もカバーする。
「PCオーディオは、Mac、リナックスいずれも対応しています。USB DACも、私たちのオススメを絞り込んで取り揃えました」
そのラインナップの中に、メリディアンのPrimeヘッドフォンアンプやEXPLORER2、DIRECTOR ダイレクトDACがある。
世界の銘機を知り尽くしたスタッフが評価する
「メリディアンサウンドの魅力」とは?
現在の輸入窓口であるハイレス・ミュージックとは、お客様からの修理依頼でに対応してからのつきあいだという。実は、U-Auidoのスタッフのひとりである竹内さんも、かつてCDプレーヤー588やG08を愛用していた生粋のメリディアンファンだ。そんな彼が考えるメリディアンの魅力はどんなところにあるのだろう?
「ひとことでいうと、“音が濃い”ということですね。
時代と共に分解能が要求されると、必然的に音の印象としては薄口になるものです。もちろんメリディアンも例外ではなくて、かつての200シリーズなどと比べるといまの製品は現代的な音です。でも、キレイキレイ一辺倒のモデルが多い現行製品の中にあって、やはり濃いところのよさを、しっかり残している。
それに、ノイズフロアがすごく低いのも特筆されますね。音と音の間が見えるんです」
この日は、PRIME ヘッドフォンアンプが専用電源とともに置かれていた。ヘッドフォンを基本的に取り扱っていない同社では、DAC内蔵プリアンプとして積極的にデモしているそうだ。
「アナログ入力の音もUSB 入力の音と遜色ないのが立派です。ボリュウム回路を通るので、純粋にDACとして使いたい方には、DIRECTORダイレクトDACがいいでしょう。どちらを選んだとしても、コンパクトでありながらモノとしての質感がとても高く、満足いただけると思います」
実際に試聴すると、交響曲では重厚にスケール感を誇示するというよりも、美しい響きが余すところなく表現されることによって、空間が立体的に見透せる。確かに、音楽性豊かと評された、かつてのメリディアンサウンドを彷彿とさせる。
「懐かしくて顔がわかる、歴史のあるブランドです。しかも、かつての魅力が今なお息づいている。オーディオ歴が長い方ほど、その魅力を思い出していただけると思います」
メリディアンDIRECTORは
価格帯随一の本格的な音のDAC
そんなU-Audioのオススメのひとつが、USBとS/PDIF入力&アナログRCA出力というシンプルなUSB DACであるDIRECTOR ダイレクトDAC。MQA対応が話題のPHA-1やEXPLORER2に隠れた存在だったが、最近改めてその本格的なサウンドが評価され、日本でも注目され始めたモデルだ。
「価格は10万円弱。ワイスMAN301やDAC202、エアーQB-9、エクソギャルなどに比べて圧倒的にリーズナブルでありながら、なかなか本格的な音がするUSB DACは、すでに廃盤となったリンデマンのUSB-DAC 24/192X以来です」
先日、DIRECTOR ダイレクトDACを購入されたユーザーのメインのオーディオシステムは、B&WのSignature Diamondにゴールドムンドのアンプ、CDプレーヤーがワディアという。そんなハイエンドユーザーが、Macとの手軽な組み合わせで音質的にも十二分なクオリティだとよろこんでいるとのこと。スペックだけでなく実際にその音を聞いて選び取っていただきたい。